
デジタル化とは何か?
本質の理解
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、「進化したデジタル技術を活用することで、人々の生活をより良いものへと変革すること」と定義されており、変革や革新という言葉が重視されています。以下では、これを踏まえてデジタル化の本質について解説したいと思います。
まずデジタルとは、強力で便利な道具だということです。どんな道具を選択するのか、どこで使うのか、どうやって使うのか次第で、役に立つ時もあればそうでない時もあります。例えば取引件数の少ない個人商店であれば、会計ソフトを導入するまでもなく手書きの伝票で十分かもしれませんし、単一の店舗しかない小売業であれば、POSレジを導入しても効果は薄いと言えそうです。社内システムを更新するプロジェクトで、特定の強い意向が働いた結果、使い勝手やコストを無視した強引なプロジェクト運営が行われることがありますが、道具次第で会社の浮沈にまで影響することを忘れてはいけません。
道具を選ぶにあたっては、「誰が」選ぶのかについても重要です。業務の革新を視野に入れたデジタル化は、従来業務は参考にしかならないので、「ウチの会社をこのように発展させたい」という明確なビジョンを設定し、そこに向けたシステム構築がが必要ですが、このビジョンを持っているのは、その会社の社長であることが通常ではないでしょうか。つまりデジタル化というのは、社長が主導して方向性を示さないと、失敗することが多くなります。
ここまでをまとめると、以下のようになります。
デジタルは道具なので、利便性と経済性を加味した合理的な判断で選定する必要がある
デジタル化が必要な会社とは、デジタルの力によって業務の革新を目指す会社である
業務の革新を目指す以上、標準業務をパッケージ化したソフトは向かない
本気でデジタル化を目指すのであれば、社長が自ら先頭に立つ姿勢が必要である